KINZAI FINANCIAL
PLAN
2005年6月号
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2005年度の年金額はどうなるの |
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Q 2005年度の年金額の計算式は複雑になったと聞きました。2004年改正後の計算式と当分の間適用されるという物価スライド特例設置について教えてください。 A ◆ 物価スライド特例設置で年金額据置き 2005年度の満額の老齢基礎年金は、2004年度と同額で79万4500円が支給されています。 ただし、この額は「物価スライド特例措置」によるもので、法律上の額は以下の式で表されます。
この78万900円は、改正前に保留されていた物価下落分1.7%とすでに年金額に反映してある下落分1.2%の合計の2.9%を反映した額です(80万4200円(2000年度価格)×0.971(1−2.9%)=78万900円)。 上記の式にある「改定率」とは、名目手取り賃金変動率や物価変動率によって決定される率で、毎年改定が行われることになります。 今回の改正で、法律上の本来の額(78万900円)をそのまま適用すると、急激な年金額低下を招くため、2004年改正後の額より改正前の額のほうが高い場合は、改正前の額が支給されるという「物価スライド特例措置」がとられることになっています。 2004年改正前の年金額は、毎年の物価変動によって改定されていましたが、1999年から2001年は、消費者物価指数の合計が1.7%下落したにもかかわらず、実際の年金額には反映されずに据え置かれていました。 その後の2002年と2003年の下落分(1.2%)については年金額に反映されており、2004年度の満額の年金額は、79万4500円(=80万4200円×0.988(1−1.2%))となりました。そして、2005年度の年金額は、物価水準が前年度と同水準であったため年金額が据え置かれることになったのです。 このように改正前の年金額は、本来の水準より1.7%高くなっています。実務上でも、社会保険事務所が発行する見込額照会回答票では改正後と改正前の2つの年金額が表示されますので注意してください。なお、物価下落保留分は、今後の物価や賃金の上昇で解消していくことになります。 ◆特例等が重なり複数の算式が存在 老齢厚生年金の額についても物価スライド特例設置が適用されています。まず、2004年改正による法律上の計算式から確認します。それまで、5年ごとに行っていた再評価率(過去の給与等を現在価値に再評価するための率)の改訂を毎年実施することとし、新再評価率の中に賃金変動率と物価変動率を組み入れる(名目手取り賃金変動率)ことになりました。
しかし、2000年改正の際に、厚生年金保険法において、改正前の式で計算した額のほうが高い場合、改正前の額を保障するという制度が設けられました。 実際、今回の改正前では、1994年再評価率と旧乗率を使用して計算した額のほうが高くなっており、その額が保障されてきました。そこで、改正後もこの従前額保障の制度が取り入れられています。
従前額改定率の1.001は、2000年改正前の従前スライド1.031に0.971(1−2.9%)を乗じたもので、2000年度以後の物価下落分をすべてたものになっています。 老齢厚生年金は、老齢基礎年金と同様に物価スライド特例措置がとられます。したがって、上記A、Bの改正後の計算式で計算した額より下記Cの改正前の物価スライド特例措置による計算式で計算した額のほうが高い場合は、改正前の額が支給されることになっています。
0.988は3年分の物価下落分を保留したものです。なお、マクロ経済スライドによる調整はこの改正前の式には適用されないことになっています。では、最後に事例で確認しましょう。
(A式)33万円×7.23/1000×350月=83万5065円≒83万5100円 (B式)31万円×7.61/1000×350月×1.001=82万6511円≒82万6500円 (C式)31万円×7.61/1000×350月X1.031×0,988=84万1066円≒84万1100円 給付乗率の5%削減や物価スライド特例措置の影響で、改正前の式であるC式による年金額が最も高くなります。 したがって、この場合は概算額で約84万1100円が報酬比例部分として支給されることになります。 |