KINZAI FINANCIAL PLAN
2004年5月号
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共働き夫婦で加納年金額が加算されるケース |
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Q 今年60歳になります。報酬比例部分の老齢厚生年金を受給でき、62歳になると定額部分との加納年金額も受給できると聞きました。ただ、妻が在職中で厚生年金の加入期間も20年以上あり、被扶養配偶者にもなっていません。この場合、加納年金額は加算されますか。 A 加納年金額は、配偶者が65歳未満かつ老齢厚生年金(加入期間が20年以上)の受給権を得ていないことが要件になります。したがって、配偶者(妻)が60歳になって老齢厚生年金の受給権を得るまでは加納年金額が加算されます。 ◆配偶者の受給権の有無が決め手 加給年金額とは、年金受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者や18歳到達年度末までの子(特定の場合は20歳未満)がいる場合に支給されるものです〔図表1〕。 配偶者に加給年金額が加算されるための用件等は以下のとおりです。 @受給権者の要件:老齢厚生年金額の計算の基礎となった被保険者期間が20年以上(中高齢の期間短縮に該当するときはその期間)あること A配偶者の要件:受給権者が受給権を取得当時、受給権者によって生計を維持されて いる65歳未満の配偶者であること B配偶者:被保険者期間が20年以上(中高齢の期間短縮に該当するときはその期間)ある 老齢厚生年金、障害厚生年金、障害基礎年金、共済組合の退職年金等を受給できる間は、配偶者の加給年金額は支給停止 回答のポイントは、配偶者の厚生年金の加入期間が20年以上も、まだ受給権を取得していなければ、加給年金額が加算されるということです。ご質問のケースで考えてみましょう。 受給権者(夫) 配偶者(妻) 生年月日:昭和19年5月10日 生年月日:昭和23年8月10日 厚生年金加入期間:456月(38年) 厚生年金加入期間:360月(30年) この場合、妻の厚生年金の加入期間が20年以上あるので、通常加給年金額は支給停止になりますが、妻が60歳になるまでは、妻の老齢厚生年金の受給権が発生しないため、加給年金額が加算されます〔図表2〕。また、妻が60歳になり老齢厚生年金の受給権を取得しても、在職(会社員等)し、在職老齢年金が全額支給停止になる場合は、妻が60歳になっても加給年金額が加算されます(一部でも支給される場合には、加給年金額は支給停止)。 なお、配偶者が60歳になって年金受給権が発生しているにもかかわらず裁定請求をしていない場合、未裁定(受給権が発生していない)のため加給年金額が加算されることがあります。しかし、配偶者が裁定請求をしたときに加給年金額の支給停止が過去にさかのぼって行われます(以後支給される年金額から差し引かれます)。 ◆各制度で支給要件を判断 配偶者に共済組合の加入期間がある場合はどうなるでしょうか。たとえば、過去に教職員や公務員であったため共済組合の加入員期間があり、その後、民間会社の会社員として厚生年金に加入しているケースが考えられます。 受給権者(夫) 配偶者(妻) 生年月日:昭和19年5月10日 生年月日:昭和23年8月10日 厚生年金加入期間:456月(38年) 共済組合加入期間:180月(15年) 厚生年金加入期間:180月(15年) 妻の共済組合と厚生年金の加入期間はそれぞれ20年未満ですが、合計すれば30年になります。この場合は、妻が老齢厚生年金・退職共済年金の受給権を取得しても加給年金額は支給停止されません。つまり、加入していた制度が異なれば、それぞれの加入期間で判断されるということです。 〔図表1〕加給年金額 (2004年度価額) 配偶者の加給年金額:各22万8600円 1人目・2人目の加給年金額:各22万8600円 3人目以降の子:各7万6200円 配偶者の特別加算額:下表
〔図表2〕妻の厚生年金の加入が20年以上ある場合
加給年金額の対象となる配偶者の年収制限は、次のとおりです(いずれかに該当)。 @受給権者の年金の裁定請求時に、配偶者が年収850万円の収入を将来にわたって得 られないこと A年金の裁定請求時の年収が850万円以上であっても、おおむね5年以内に850万円未満になると認められること B年収が850万円以上であっても、年間所得金額(収入一必要経費)が664万5000円未満であること したがって、被扶養配偶者(収入が130万円未満)でなくても、加給年金額の加算対象配偶者となることができます。 以上のように、配偶者の加給年金額の加算要件は、見落としがちなポイントがいくつかありますので注意してください。 |