KINZAI FINANCIAL PLAN
2004年8月号
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2004年度年金改正にみる「改善」のポイント |
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Q 先ごろ成立した公的年金法の改正は、保険料の負担増や隼金給付額の削滅など、生活を直撃する改正ばかりが目だちますが、良くなった部分もあるのでしょうか。 A たしかに、今回の改正は保険料負担者と年金受給者が痛みを分け合う内容で、マイナス面ばかりが報道されましたが、高齢者や女性に関する改正のなかには改善されたものもあります。 ◆「在老」の一律2割カット廃止 60歳になっても、会社員として厚生年金保険に加入して働き続ける場合、受け取る年金が減額されます。この制度を在職老齢年金制度といい、とくに65歳未満の人は、給与や年金額にかかわらず年金額の2割が間答無用でカットされる仕組みになっています。 一方、定年退職後に自営業者として収入を得る場合や共済制度の加入者として働く場合は、厚生年金保険の被保険者ではないので年金額は減額されません。60歳以降の職業によって年金受給額に差が出てしまうことは、不公平感を増してしまうことにもなります。 今回の改正により、2005年4月以降、60歳代前半の在職老齢年金について、一律2割カットの制度が廃止されることになりました。2割カットしない年金月額(基本月額)と総報酬月額相当額(直近1年間の賞与込みの標準報酬月額)を基準として、年金額の調整が行われることになります。 なお、70歳以上で働いている人に対しては、60歳代後半の在職老齢年金と同じ仕組みが導入されることになりました。ただし、70歳以上の人については、保険料の負担はありません。 ◆ 保険料免除制度は4段階に 会社員であった人がリストラなどで失業した場合、厚生年金保険の被保険者資格を喪失するため、第1号被保険者として国民年金の保険料(2004年度11万3300円)を納めなければなりません。加えて、妻についても第3号被保険者から第1号被保険者へと種別変更するため、保険料を負担する必要がでてきます。このような場合で保険料を納める余裕がないときは、保険料免除制度を利用できます。 現在の申請免除制度は、全額免除と半額免除の2段階ですが、2006年7月からは所得水準に応じて、保険料の4分の3免除と4分の1免除の制度が導入され、全部で4段階の多段階免除制度が導人されます。国民年金の保険料の未納率が上昇するなかで、加入者の負担能力に応じて保険料を納めやすくし、未納を防ごうとするものです。 免除を受けた期間については、10年以内ならば追納が可能です。この場合は、古い年度分から1月単位での納付となり、免除を受けた当時の保険料を納めることになりますが、2年以上たってしまうと、当時の保険料に加算金が加えられることになっています。 なお、10年以内に追納しない場合でも一般の免除制度の場合は老齢基礎年金の額に反映されます(学生納付特例の場合は追納しない限り老齢基礎年金の額には反映されません)。 今回の改正では年金額への反映割合も変更され、国庫負担が2分の1へ引き上げられる(2009年度までに完了)ことを前提とすると、4分の1免除は8分の7、半額免除は4分の3、4分の3免除は8分の5、全額免除は2分の1がそれぞれ反映されます。 ◆ 子供が3歳になるまで支援 現在、育児休業中の厚生年金保険料については、子供が1歳になる月の前月まで被保険者本人分と事業主負担分が免除されます。この育児休業中の保険料免除については、国民年金の第1号被保険者の保険料免除制度とは異なり、免除された期間についても育児休業前の給与に基づいて厚生年金保険料を支払ったものとみなして、年金額に反映されます。 2004年に育児休業法が改正され、1歳以上3歳未満の子供を育てる従業員に対して、育児休業に準ずる措置などを設けなければならなくなりました。これを受けて、今回の改正では2005年4月から、育児休業期間中の厚生年金保険料の免除制度も子供が3歳になるまで受けられるようになります。なお、原則、出産後8週間については、産後休業をとることになっていますが、この間は育児休業ではないので、保険料免除制度は適用されません。 育児休業法が改正された際に、1歳以上3歳未満の子供を育てる従業員に対して、育児休業に準ずる措置をとるか、または、短時間勤務制度や始業・終業時刻の繰下げ・繰上げなどの措置を取り入れて、働きながら子供を育てることを支援する内容が盛り込まれました。 しかし、職場に復帰した従業員が3歳まで短時間勤務制度を利用すると、一般的に休業前に比べて給与が下がることになり、結果、厚生年金保険料も下がります。負担は軽くなりますが、将来の年金給付は報酬に比例するため年金額も下がってしまいます。 そこで、この点を解消するため、2005年4月からは、子供が3歳になるまでは、実際に納めた保険料ではなく、休業前の給与に基づく保険料を支払ったものとみなして、従前の給与水準で老齢厚生年金額(報酬比例部分)が計算されることになりました〔図表〕。
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