KINZAI FINANCIAL PLAN                            20053月号

厚生年金基金から支給される年金額

 社会保険事務所に年金の受給額照会に行ったところ、厚生年金基金の加入期間にかかる年金額については、基金に確認するようにといわれました。基金の加入期間の取り扱いについて教えてください。

 

 厚生年金基金は、老齢厚生年金の一部を代行しています。代行部分については、国ではなく基金から支給されるため、年金額の照会や裁定請求は基金で行うことになりました。

 

◆ 基金の支給は基本部分と加算部分

厚生年金基金(以下、基金)とは、国が行う年金制度のうち、老齢厚生年金(報酬比例部分)の年金給付の一部(代行部分)を代行し、加えて、基金ごとに定められた独自のプラスアルファ部分の年金を支給する企業年金制度の一つです。ただし、代行部分は、年金額の再評価やスライドは行われません。再評価・スライド部分は、厚生年金保険(以下、国)から支給されます。基金のプラスアルファ部分は、代行部分に加算(1000分の0.1以上)して支給する基本部分と企業の退職年金(退職金)等として支給される加算部分があります〔図表1〕。

 

 

基金から支給される代行部分の年金額は、基金が管理しているため、社会保険事務所に年金の受給照会を行っても、回答表には基金加入期間以外の老齢厚生年金(報酬比例部分)の額および基金加入期間の再評価やスライド部分の年金額の合計しか表示されず、代行部分の加入年金額はわかりません。ただし、基金の加入月数が表示されますので、基金への加入の有無や加入期間は知ることができます。

基金が支給する年金は、給付内容に格差があるためここでは,基金の代行部分の基本的な考え方を説明します。

代行部分の年金は、加入員の標準給与(平均標準給与月額,平均標準給与額)および加入員であった期間に基づいて算定されます。前述とおり、基金は、再評価・スライド部分は支給しませんので、加入員の標準給与は再評価せず、 スライドも適用されません。また、基金は老齢厚生年金で支給される水準を超えた額を支給することになっているため、代行部分にはプラスアルファを加算することになっています。

なお、基金が代行するのは、老齢厚生年金の報酬比例部分だけですので、加給年金額が加算される場合は、国から支給されます。遺族厚生年金や障害厚生年金についても基金加入期間を厚生年金保険の被保険者期間として計算した年金額が国から支給されます。

 

◆ 基金と在職老齢年金の関係

最後に、基金加入期間がある場合の在職老齢年金の取扱いについて説明します。在職老齢年金の支給停止は、基金に加入しなかったものとして計算した老齢厚生年金をもとに行われます。

60歳代前半の在職老齢年金の場合、基本月額は基金に加入していないものとして計算された報酬比例部分と定額部分の合計年金額(加給年金額を除く)8割を12で除した額となり、基本月額と総報酬月額相当額により支給停止額を算定します。

支給停止方法は、まず、国から支給される年金が支給停止されます。基金は、支給停止額が国の支給額を超える部分と代行部分の2割を加えた額を限度として支給停止を行うことができます。

つまり、国から支給される部分の2割および基金の代行部分の2割がそれぞれカットされ、さらに支給停止される場合は、国から支給される分から先に停止され,まだ支給停止額がある場合には基金の代行部分から停止するということになります〔図表2〕。ただし、基金における在職老齢年金の支給停止は規約により任意に定めることになっていますので、基金によっては、一律2割だけカットする場合や、在職老齢年金の調整がない基金もあります。

また、20054月以降は,制度改正により一律2割の支給停止が廃止されますので、当然、2割カットはなくなります。

65歳以降の在職老齢年金については、60歳代前半と同様に厚生年金基金に加入しなかったものとして計算した老齢厚生年金をもとに支給停止額を計算し、国から支給される分から停止されます。なお、65歳以降の在職老齢年金の支給停止についても、規約で任意に定めることになっています。