A 概要編    B 中退共活用編   C 企業型DC活用編   D 規約型DB活用編   E 個人型DC・特退共活用編

 

<A 適年移行実務マニュアル (概要編)>

1.フローチャート

 Q:新制度を導入しない場合の3つのケースに、「問題あり!」「注意が必要!」の2種類のコメントがついていますが、これはどのように使いわけられているのでしょうか? 

 A: 適年対策をなにもしない場合、2012H24)年4月から税制適格要件が廃止され、税制メリットがなくなります。その時点で、既存の適年契約がどう取り扱かわれるかは今のところ未定ですが、例えば過去期間分の税制メリットについても遡って撤廃される可能性などが考えられます。今後の動きが注目されますが、企業側としてはそのような契約を放置しておくことは「問題あり!」といえるでしょう。

   適年を解約し、新制度へ移行するものの、資産を新制度へ移換せず、従業員(加入者)に配分するケースでは、適年解約後も、退職金制度(退職金規程)を変更しなければ、企業側にはその規程に基づく退職金支払義務がそのまま残ります。従業員にとっては、適年資産の配分を受けた上に退職金も会社から支給されるわけですから、有利になりますが、会社側としては「注意が必要!」といえます。

反対に適年の解約に伴い退職金制度(退職金規程)を廃止した場合は、従業員に退職金は支払われなくなります。他の手段(退職金前払い制度等)を講じない限り、労働条件の不利益変更となる恐れがあり「問題あり!」となります。

2.     規程のチェックポイント

Q:規程について、記載項目以外にも確認しなければいけないものはありますか?

A:適年チェックシートの項目(A2)は、適年対策上、最低限必要と思われる項目を取り上げています。

例えば、退職金(年金)の算定式や支給乗率や一時金換算率については企業ごとに異なるものですので本マニュアルでは掲載していません。

 基準給与となる基準内賃金の詳細な内容や、勤続年数の換算方法等も実務上は重要な要素となります。

また、適年契約を廃止・解約したときの分配方法(責任準備金比例・自己都合、会社都合退職金比例等)も適年対策には重要な要素となりますので、規程内容を確認してみて下さい。

3.     財政決算報告書について

Q:財政決算報告書に他の形式はありますか?

A:本マニュアルに掲載しているフォーマットは生命保険会社の貸借対照表と収支計算書の主要な要素を抜き出したものです。

  ● 掲載されていないもの(例)

【貸借対照表】

貸方の項目として、未払特別法人税(納付金額は確定しているが、納付期日が未到来の特別法人税)等が掲載されるものもあります。

借方の項目として、未収保険料(保険年度に払込期日の到来している保険料でまだ払い込みのない保険料)等が表示されるものもあります。

【収支計算書】

収入の部の「遺族特約準備取崩額」を「危険負担金より受け入れ」、支出の部の「遺族特約準備繰入額」を「危険負担金へ繰入」等と表示される場合があります。

また、受託会社が信託銀行の場合、収支計算書ではなく、年金資産、責任準備金等の項目ごとに表示している場合があります。

財政決算報告書は受託会社ごとに様式が異なりますので、不明点は受託会社に確認するとよいでしょう。

4.     給付の種類

Q:退職一時金と退職年金(一時払い)の相違点は?

A:一般的に適年は、年金の受給権を有する者であっても、一時払いを選択することができます。これを選択一時金・退職年金(一時払い)といいます。

  退職一時金とは、年金の受給権を有さない者が退職等により制度を脱退したときに支給されるもので、脱退一時金とよばれることもあります。

  計算方法や支給率表が異なることが多いので注意して下さい。

 


<B 中退共活用編>

1.中退共の加入状況

Q:現在、どのくらいの企業が中退共に加入しているのですか。

A:20068月現在、加入している企業数は384,229所、加入従業員は2,834,835人、運用資産額は、約3.4兆円です。

2.具体的な加入対象者

Q:加入対象者は具体的にどのように決めたらよいのですか。

A:中退共制度に加入できる従業員は、中小企業の事業主に雇用されている従業員となっています。個人企業の事業主の配偶者及び法人企業の役員はこの制度への加入はできません。ただし、法人企業の役員で、従業員として賃金の支給を受ける等の実態があれば加入することができます。

また、試用期間中の人、定年などで短期間内に退職する人、期間を定めて雇用される人、休職期間中の人は、加入させなくてもよいことになっていますが、その他は原則として全員を加入させなければなりません。  

3.通算制度

Q:中退共制度に新規に加入する際の通算制度や転職した際の通算制度について教えてください。

A:中退共制度に新規に加入する際、すでに1年以上勤務している従業員については、加入前の勤務期間の10年を限度として、本契約の申込金額以下で掛金を別途納付すれば通算することができます。この手続きは新規に中退共制度に加入する企業に限られ、本契約と同時に申し出ることになっており、契約の申込みをする従業員全員を対象にすることになっています。ただし、適年から移行する従業員は過去勤務期間の通算はできません(適年契約の引継措置の適用を受けない従業員については、過去勤務期間の通算を申出ることができます)。

また、中退共制度では加入企業から他の加入企業に転職した場合、一定の要件を満たせば、前の企業での掛金納付実績をそのまま新しい契約に通算することができます。さらに、中退共制度と商工会議所・商工会等の特定退職金共済団体が実施している特定退職金共済制度との間で退職金引渡契約が結ばれていれば、相互に退職金相当額を通算することもできます。

4.退職金の受給方法

Q:退職金の受取り方法について詳しく教えてください。

A:退職金の支払いには3つの方法があります。「一時金払い」、「分割払い」、「一時金払いと分割払いを組み合わせた一部分割払い」の3つです。ただし、分割払いを選択できる人は退職日において60才以上の人で、5年の分割払いの場合は退職金の額が80万円以上、10年の分割払いの場合は150万円以上の人に限られています。また、一部分割払いを選択した場合の一時金払い対象額の最低額は20万円となっています。したがって対象となる退職金額は5年の場合は100万円以上、10年の場合は170万円以上となります。

5.受給権

Q:退職金は事業主(会社)が受け取ることができますか。

A:退職金共済契約とは、事業主が従業員のために掛金を中退共に納付することを約し、中退共はその従業員が退職したとき、中小企業退職金共済法の定めるところによりその従業員本人に退職金を支給することを約する契約をいいます。つまり、従業員は契約の当時者(事業主と中退共)からみると第三者ですが、この契約での利益を受ける者は第三者である従業員とされています。したがって、本制度から支払われる退職金等(解約手当金を含みます)を受け取る権利は従業員またはその遺族にあり、いかなる理由があっても事業主(会社)が受け取ることはできません。

6.退職事由による給付減額

Q:退職理由により退職金の額は変わりますか。

A:中退共から支払われる退職金額は、退職の理由が事業主都合か自己都合かで変わることはありません。退職金額は掛金月額と納付月数に応じて定められております。

懲戒解雇等の場合は、事業主の申し出により、退職金を減額することができます。ただし、退職金が減額された場合、その減額分は共済制度における長期加入者の退職金支払財源に振り向けられ、事業主には返されません。

7.従業員採用時の手続き

Q:新規加入後、新たに従業員を採用した場合はどのような手続きになりますか。

A:すでに加入している事業主が、新たに採用した従業員を加入させる場合は、追加の「退職金共済契約申込書」に必要事項を記入して近くの金融機関または委託事業主団体に提出します。追加の「退職金共済契約申込書」は金融機関または委託事業主団体の窓口に備え付けてあります。

8.適年からの引き継ぐ場合の国からの助成

Q:適年からの引継ぎの場合は、新規加入事業主に対する国の助成は受けられないとのことですが、掛金を加入後に増額した場合は、どうですか。

 A:中退共への加入後に掛金月額を増額した場合は、掛金増額助成を受けられます。

9.適年移行における手続き期間のブレ

Q:B-2の「適格退職年金契約を締結していたこと等の証明書の発行を受託機関等に依頼してからその証明書が発行される期間が1ヵ月から4ヵ月と幅があるのはどうしてですか。

A:受託機関によって手続きの期間が変わります。一般に信託銀行は時間がかかるようです。事前に確認してください。

10.既に中退共に加入している企業の適年移行

Q:現在、中退共制度と適格退職年金制度と両方に加入していますが、適年を中退共へ移換することはできますか。

A:適年から中退共に移行することができるのは、2002(H14)年4月1日から2012H24)年3月31日までに新たに中退共に加入した場合に限られます。適年から中退共への移行申出の日において、現に中小企業退職金共済契約を締結している事業所は移行することはできません。

11.積立不足がある適年の移行

Q:適年に積立不足がありますが、中退共へ移行することはできますか。

A:中退共への移行する場合は適年解約時における従業員の持分額の範囲内の金額を、中退共掛金の納付月数(適年での受益者等であった期間以内)として引継ぎ通算する部分と、残余の額として預かり政令で決められた利率(現行1%)をつける部分に分けて資産を移換します。したがって、積立不足を解消しなければ移行できないということではありません。ただし、引継後の退職金の額は、中退共における掛金納付月数(通算月数に加入後の納付月数を加えた月数)が少ない場合は、引渡金額と中退共加入後の掛金総額の合計額を下回ることがあります。

12 .中退共の契約成立年月日

Q:契約成立年月日はいつになりますか。

A:退職金共済契約申込書(引継用)の「申込日」が退職金共済契約の成立日となり、その日から効力が生じることになります。退職金共済契約の申込日については、事業主が中退共本部に退職金共済契約申込書(引継用)・預金口座振替届出書と引渡申出書及び証明書を同時に送付する日(投函日)をいいます。

13 .適年移行上限額の撤廃

Q:引渡し金額の120月の上限が2005(H17)年4月以降撤廃されましたが、具体的にはどのように変わったのですか。

A:通算月数の上限が撤廃されると、「掛金納付月数の通算に係る額」については、「引渡金額の範囲内で最高の額」とされ、その額に応じた月数が通算されることになります。ただし、適年契約の受益者等であった期間の月数を超えることはできません。通算月数に充当できない資産については、「残余の額」として移換し、政令で定める利率(現行1%)を付して退職金額に加えることになります。したがって従来は通算できる掛金納付月数に120月の上限があったために、適年の資産の全額を中退共に移換することが不可能だったケースでも、適年資産の全額移換が可能になりました。

14 .従業員が退職した場合の手続き

Q:従業員が退職した場合の事業主の手続きはどうすればいいですか。

A:従業員が退職した場合は「退職金共済手帳」に綴られている「被共済者退職届」をすみやかに中退共本部保全課に送ります。また、「退職金共済手帳」に綴られている「退職金(解約手当金)請求書」の事業主の記入欄に必要事項を記入・押印し「退職金共済手帳(3枚)」を退職した従業員に渡します。

15 .従業員が死亡した場合の手続き

Q:従業員が死亡した場合の手続きを教えてください。

A:従業員が死亡により退職した場合は、死亡した日を退職年月日として「退職金共済手帳」に綴ってある「被共済者退職届」を中退共本部保全課に送ります。また、退職金を請求してもらうため遺族の人に「退職金共済手帳」を渡します。なお、遺族請求の場合の請求順位は、第1順位者は配偶者、第2順位者以降は、子供、父母等の順になっています。

中小企業退職金共済事業本部 http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/

 

 

<C 企業型DC活用編>

1.運営管理機関

Q:運営管理機関の業務のうち記録関連業務はJIS&TNRKといったレコードキーピング会社が行うとありますが、C-1(1)の仕組み図における、「運用関連業務」を行う運営管理機関と「記録関連業務」を行うレコードキーピング会社の関係を教えてください。事業主は運営管理機関として運営関連業務を行う機関とレコードキーピング会社と両方選ぶのですか?

A:一般的には、運用関連業務を行う運営管理機関とレコードキーピング会社の関係は、事業主からの委託を受けた運営管理機関がレコードキーピング会社に記録関連業務を再委託する、という関係になります。これは、記録関連業務における情報管理は、個々の運営管理機関が独自で行うにはコストが掛かりすぎるために、レコードキーピング会社がまとめて管理するという形態をとっているからです。そのため、事業主が運営管理機関とレコードキーピング会社を両方選任するのではなく、事業主が運営管理機関を選任すると、運営管理業務のうちの記録関連業務がレコードキーピング会社に再委託されるという形式が多く見受けられます。

2.DCの老齢給付金の支給開始年齢

 Q:C-1の表では、通算加入者等期間が10年以上ないと60歳から老齢給付金が支給されないとあります。私は、前の会社ではDCを実施していたので 4年1ヵ月の加入者としての期間がありますが、その後転職した会社では確定給付企業年金を実施していたため、個人型DCの加入者にはなれませんでした。このまま、今の会社に勤めると60歳までDCの加入者にはなれません。私が老齢給付金を受給できるのは63歳からとなるのでしょうか?

A:老齢給付金の支給開始年齢の要件である通算加入者等期間とは次に掲げる期間を合算した期間です。(ただし、その者が60歳に達した日の前日が属する月以前の期間に限ります。)

@ 企業型年金加入者期間

A 企業型年金運用指図者期間

B 個人型年金加入者期間

C 個人型年金運用指図者期間

運用指図者とは、加入者として掛金の拠出は出来ないが個人別管理資産について運用の指図を出来る者のことです。 

ご質問の例では、企業型年金加入者期間は4年1ヵ月ですが、前の会社を退職した後で、個人別管理資産を個人型DCへ移換し、運用指図者となりますので(C-4転職・中途退職の際のポータビリティ参照)@の企業型年金加入者期間である41ヵ月とCの個人型年金運用指図者期間を合算した期間が通算加入者等期間となります。この通算加入者等期間が10年以上であれば、老齢給付金は60歳から支給されることとなります。

また、適年からDCへ移換された掛金がある場合には、適年の受益者等期間も通算加入者等期間に含まれることになります。

3.DCの老齢給付金の請求

Q: C-1の下の※で「遅くとも70歳までに請求すること」とありますが、もし70歳までに請求しないと、個人別管理資産はどうなってしまうのですか?

A:70歳到達時の老齢給付金の支給については、確定拠出年金法第34条及び第73条に規定されています。

具体的には、老齢給付金を請求することなく70歳に達したときには、資産管理機関(個人型DCの場合は国民年金基金連合会)が記録関連運用管理機関の裁定に基づいて、老齢給付金を支給する事になっています。

4.企業型DCへの移行

Q:C-2では、適年からDCに移行する際に社内手続きの所で「企業型DCの導入に関する労使合意」とあり、適年関連の所にも「適年からDC移行に係る同意の取得」とありますが、この2つはそれぞれどのような内容なのか教えてください。

A:まず「企業型DCの導入に関する労使合意」とは、企業型DCの内容について定めた規約(規約の記載事項についてはC-3参照)についての労使の合意であり、※1にもあるように、厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合がある場合は当該労働組合、厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合がない場合は当該厚生年金被保険者の過半数を代表する者の同意が必要です。

 一方、「適年からDC移行に係る同意」とは、適年解約による資産を企業型DCに移換することについての同意であり、企業型DCの制度の内容についての同意とは別のものであるため、それぞれについての同意を求めることになります。

 また、※2にあるように「適年からDC移行に係る同意」として、加入者の3分の2以上の同意及び加入者の3分の1以上で組織する労働組合がある場合は当該労働組合の同意が必要ですが、加入者の3分の2以上で組織する労働組合がある場合には、当該労働組合の同意で加入者3分の2以上の同意に変えることができる、とあります。これは加入者の3分の2以上で組織する労働組合があれば、個々の加入員の同意を得る必要は無く、労働組合の同意だけで要件を満たす、ということです。

5.企業型DCへの移行の流れ  

Q:この図では、企業型DCの制度が開始された後に適年からの移換する「個人別資産額」が決定し、実際の資産移換が完了していますが、これはなぜですか? 「個人別資産額」を正確に決定してから企業型DCを開始することは出来ないのですか?

A:まず、適年を解約して企業型DCに移行するときは、適年解約日が企業型DC制度発足日となります。一方適年からの移換する「個人別資産額」は、適年解約時での年金資産額を規程に基づいて個人別に分配したものです。このことからも分かるように、企業型DCが開始される日の適年資産が実際に移換される額ですので、移換額が決定するのは企業型DC開始の後とならざるを得ません。ご質問のように「個人別資産額」をまず決定して企業型DCを開始するというのは順序が前後してしまうため出来ません。 

 

 

<D 規約型DB活用編>

1. DBの仕組み

Q:基金型DBの人数要件は300人以上とありますが、規約型DBにも人数要件はあるのですか?

A:規約型DBには、基金型DBのような人数要件はありません。また、母体企業とは別の「基金」を設立する必要もなく、比較的小規模の企業での導入も可能です。

2.適年と異なる点

Q:適年と給付要件が違うことで、注意しなければならないことはありますか?

A:適年のほうが、DBよりも自由な制度設計が認められていたため、DBに移行した場合、給付に関して同じ内容には出来ないことが予測されます。例えばDBでは、受給権の付与を加入20年以下の期間で定めなければなりませんので、適年でこれより長い期間で受給権を付与している場合には、退職金規程の見直しが必要になってきます。他にも、適年では退職を支給要件としているケースもみられますが、DBでは支給要件に年齢による制約がありますので、退職をしても50歳未満での支給は認められません。

3. 規約型DBへの移行の流れ

Q:適年から規約型DBへの移行の流れにある「規約型DBの導入に関する労使合意」と「適年の権利義務の継承に係る同意の取得」はどのように違うのですか?

A:まず「規約型DBの導入に関する労使合意」とは、規約型DBの内容について定めた規約についての労使の合意であり、規約型DBという制度を導入することについての合意です。※1にもあるように、厚生年金保険被保険者の過半数で組織する労働組合がある場合は当該労働組合、厚生年金保険被保険者の過半数で組織する労働組合がない場合は当該厚生年金保険被保険者の過半数を代表する者の同意が必要です。

一方「適年の権利義務の承継に係る同意の取得」とは、適年解約による資産を規約型DBに移換することについての同意であり、規約型DBの制度の内容についての同意とは別のものであるため、それぞれについての同意が必要になるのです。また※2にあるように、給付減額を行う場合には、加入者の3分の2以上の同意および3分の1以上で組織する労働組合がある場合は当該労働組合の同意が必要ですが、加入者の3分の2以上で組織する労働組合がある場合は、当該労働組合の同意だけで、個々の加入員の同意を取る必要はありません。

4.キャッシュバランスプラン

Q:従業員ごとの仮想口座とはどのようなものですか?DCの個人別管理資産とはどのように違うのですか?

A:キャッシュバランスプランの仮想口座とは、勤続年数や成果によって与えられる持分付与額と利息付与額の合計額によって残高が決まり、給付の基礎として、年金原資や一時金となるものです。ただし利息付与額は、再評価率によって決まりますので、実際の年金資産運用の成果と一致するわけではありません。したがって、仮想口座の残高は、実際の年金資産を各従業員に割り振ったものではありません。その点で、実際の資産額と一致しているDCの個人別管理資産とは異なるものです。

5.脱退一時金の課税等

Q:厚生年金基金と確定給付企業年金の脱退一時金は退職所得になっていますが?

A:厚生年金基金と確定給付企業年金は、「年金の受給権」を有さない者が退職したときに脱退一時金が支給される制度です。したがって他の制度と違い、退職所得として扱われます。

  また、一時所得の課税金額の計算については、「その収入を得るために支出した金額」を差し引くことができますが、具体的には、従業員の掛金の負担がある場合の従業員負担分等が該当します。

 


<E 個人型DC・特退共活用編>

1.個人型DC加入の申込先

Q:個人型DCの加入手続きは、どうすれば良いのですか?

A:加入手続きは、受付金融機関(郵便局を含む)が窓口となります。加入時に、商品の選定を行う運営管理機関を指定することになります。なお、受付金融機関と運営管理機関は、通常同一である場合がほとんどですが、異なることもあります。国民年金基金連合会(以下、連合会)が直接の受付窓口や運営管理機関になることはありません。

企業の従業員(第2号被保険者)が加入する場合は、勤務先の事業所登録が済んでいることが条件となります。済んでいない場合は、まず事業主に事業所登録をするようにお願いしてください。

2.加入日

Q:加入日は、いつになりますか?

A:連合会が行う資格確認により加入が認められた場合、受付金融機関での加入申出書の受付日が加入日(資格取得日)になります。その後、商品の選定を行う運営管理機関を指定します。国民年金基金や国民年金基金連合会が直接申込の受付はしません。

3.初回拠出日

Q:掛金の初回拠出日は、いつになりますか?

A:加入者の資格を取得した月の分から掛金を拠出することになります。毎月の掛金は翌月26日に口座振替で引落としになります。

ただし、加入者データの登録等の事務処理上、受付日によっては初回引落しが翌々月の26日となって、2ヵ月分をまとめて引落としになる場合もあります。

4.残高不足

Q:掛金の口座振替日に残高不足であった場合は、どうなりますか?

A:口座振替日に残高不足で掛金を引落としできなかった場合、その月の掛金は拠出されなかったことになります。なお、前納や追納という制度はありませんので注意が必要です。

5.国民年金の保険料との関係

Q:国民年金の保険料に未納があった場合は、どうなりますか?

A:確定拠出年金は公的年金の上乗せの年金です。国民年金の保険料が納付されていない月に掛金を拠出していたことが分かった場合には、保険料未納月の掛金相当額が還付されます。その際には、還付にかかる事務コストは加入者負担となり、還付金から手数料が差し引かれます。

6.運営管理機関の変更

Q:運営管理機関の変更は、可能でしょうか?

A:運営管理機関の変更は、可能です。運営管理機関には、運用関連業務を行う機関と記録関連業務を行う機関の2つがあります。運用関連運営管理機関の変更は、年金資産を現金化する必要がありますので、解約手数料等が必要となり資産が目減りする恐れがあります。記録関連運営管理機関の変更が必要となる場合は、記録の保存や運用指図の受付窓口が変わることになります。

7.特退共の加入

Q:特退共に加入できる企業に制限がありますか?

A:特退共には、中退共のように業種別の資本金額や従業員数による制限はありません。したがって中退共に加入できる規模を超えた企業の加入も可能です。

8.特退共の掛金額

Q:特退共の掛金上限額は、どの実施団体でも同じですか?

A:特退共の掛金上限額は、実施団体によって異なります。具体的にはそれぞれの実施団体に確認してください。

国民年金基金連合会  http://www.npfa.or.jp/401K/