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1.在職老齢年金とは

 Q:1 「在職老齢年金」という用語の定義を教えてください。

A:在職老齢年金とは、老齢厚生年金の受給資格がある者が、60歳以降も会社に勤務している場合に、正確には厚生年金保険の被保険者である場合に支給される老齢厚生年金のことです。マニュアルで説明しているように、在職老齢年金は、年金額と報酬及び賞与の合計額によってその額が調整されます。

2.     支給調整と支給停止の違い

Q:このマニュアルでの「支給調整」と「支給停止」という用語の使い方にはどのような違いがありますか?

A:「支給調整」といった場合には、ある一定の基準(T−1参照)の下に、年金額の調整が行われ、その結果「支給停止される」場合と「支給停止されない」場合の両方があることを意味しています。一方「支給停止」といった場合には「支給調整」の結果、年金が支給停止されることを意味しています。

3.     報酬とは

Q:支給調整のもととなる報酬に含まれるものを教えてください。

A:報酬とは、労働者が労働の対償として受取るものです。賃金、給与、俸給、手当、賞与その他、といった名称を問わず、労働の対象として受取るものは原則としてすべて「報酬」です。したがって、通勤手当も報酬に含まれますし、金銭で支給されるものに限らず現物で支給される通勤定期券、食事、住宅等も報酬となります。ただし、臨時で受けるものは報酬には含まれず、3ヶ月を超える期間ごとに受ける賞与については、標準賞与額の対象となります。

4.     総報酬月額相当額の計算

Q:総報酬月額相当額の具体的な計算の仕方を教えてください。

A:総報酬月額相当額とは、その月の「標準報酬月額」と「その月以前過去1年間に受けた標準賞与額の合計を12で割った額」の合計額です。

標準報酬月額は、質問3の回答にある報酬をもとに算定し、1等級から30等級(健康保険の場合は39等級)のどれかに該当する額となります。原則として9月から翌年8月までその額を使用します。(P6 表4参照)。

一方、標準賞与額は、支払われた賞与について1,000円未満を切り捨てた額を標準賞与額として使用します。ただし支給1回につき150万円を上限とします(健康保険の場合は200万円が上限)。

これらの額をもとに総報酬月額相当額が計算されます。

したがって、標準報酬月額が変わらなくても、過去1年間の標準賞与の額に変動があれば、総報酬月額相当額は変動し、それによって年金支給停止額も変わってくるという点に注意が必要です。今まで出ていた賞与が出なくなった場合などは、P3の事例1のように総報酬月額相当額がそれぞれの期間で異なってきます。

5.     加給年金額の扱い

Q:年金額の支給調整における加給年金額の扱いについて教えてください。 

A:加給年金額が加算されている場合、年金額が一部支給停止されても、加給年金額は全額支給されます。ただし、〔T−1〕で支給停止額を計算した結果、全額支給停止となった場合(支給停止額が基本月額以上になった場合)には、加給年金額も全額支給停止となります。

6.     支給調整基準額の改定

Q:支給調整の基準となる28万円と48万円は今後改定されることがありますか?

A:平成16年の年金法改正で、支給調整の基準となる28万円と48万円は、社会情勢に合わせて自動改定されることになりました。具体的には、支給停止調整開始額である28万円については、平成17年度以降、政令によって定められる各年度の再評価率を乗じた結果、1万円単位で変動した場合(5,000円以上切り上げ、5,000円未満切捨て)に改定されます。支給停止調整変更額である48万円については、平成17年度以後各年度の名目賃金変動率を乗じて1万円単位で変動した場合(5,000円以上切り上げ、5,000円未満切捨て)に改定されます。

 

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7.一般被保険者とは

Q:雇用保険の一般被保険者とはどのような人ですか?

A:雇用保険の被保険者のうちで、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者以外の人をいいます。高年齢継続被保険者とは、同一の事業主に65歳に達する日の前日から65歳到達後も引き続き雇用されている人のことです。

また、短期雇用特例被保険者とは、季節的あるいは短期の雇用に就くことを常態とする人、日雇労働被保険者は日雇労働者のうちで一定の基準を満たす人のことをいいます。これらの被保険者は一般被保険者ではないため、高年齢雇用継続給付は支給されません。

ただし、短時間労働被保険者(週の所定労働時間が20時間以上30時間未満の者)は一般被保険者ですので、高年齢雇用継続給付の対象となります

8.基本手当を受給していない者

Q:高年齢雇用継続基本給付金の要件で、基本手当を受給していない者とはどのような場合ですか?

A:高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以後に今までの企業で雇用を継続した場合だけでなく、他の企業に再就職した場合でも要件を満たせば支給されます。例えば、いったん退職し、基本手当を受給せずに他の企業に再就職した場合がこのケースに当てはまります。このような場合であっても高年齢雇用継続基本給付金の支給対象となります。ただし、退職後1年以内に再就職することが要件となります。

9.支給残日数とは

Q:高年齢再就職給付金の要件で、支給残日数とは何のことですか?

A:雇用保険の基本手当の所定給付日数のうち、支給されなかった日数のことです。所定給付日数は、年齢や被保険者であった期間などに応じて定められています(例えば、被保険者期間が20年以上の定年退職者の場合の所定給付日数は150日です)。また、受給期間中に傷病のために基本手当に代えて傷病手当を受けた場合等は、その日数分も基本手当を受給したものとして支給残日数を算出します。

 

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10.期間A,B,Cについて

Q:計算期間がABCと分かれているのはどうしてですか?

A:総報酬月額相当額を算出する際に、計算期間を分けて考える必要があるからです。質問4の回答で説明しているように、総報酬月額相当額は、月々の賃金(標準報酬月額)に変動が無くても、その月以前1年間の標準賞与額の合計額に変動があれば変動します。期間Aは7月と12月の2回分の賞与が計算対象となる期間、期間Bは12月の賞与のみが計算対象となる期間、期間Cはその月以前1年間に賞与の支払が全く無くなる期間です。総報酬月額相当額が、それぞれの期間で異なるので、支給停止額もそれぞれの期間ごとに異なっています。

11.減額分の年金の扱い

Q:60歳以降減額された年金額はあとで支給されることはありますか?

A:減額された年金額があとから支給されることはありません。総報酬月額相当額が少なくなったことによって支給停止が行われなくなった場合、その月以降の年金は減額されずに支給されますが、さかのぼって減額分が支給されるわけではありません。

12.厚生年金保険料の支払い

Q:60歳以降は、年金は減額される一方で、厚生年金保険の保険料は払い続けるのですか?

A:60歳以降に厚生年金保険の被保険者であれば、保険料は払い続けます(最長70歳到達時まで)。ただし、60歳以降の被保険者の期間に応じて、退職後の年金額は増えます。退職後(被保険者資格喪失後)、再び被保険者となることなく1ヵ月が経過したときは、60歳以降の被保険者期間も含めて年金額を計算し直し、被保険者資格喪失後1ヵ月を経過した日の属する月の年金額から改定されます。マニュアルの事例1.2では、分かりやすくするために、退職前後の年金額(@の報酬比例部分とAの定額部分)は同じ額になっていますが、実際には60歳以降の厚生年金保険の被保険者期間に相当する分だけ、年金額が増えることになります。

 

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13.期間A、B、Cの停止額

Q:期間ABCが同じ停止額となっているのはどうしてですか?

A:総報酬月額相当額に変動がないからです。事例1と異なり事例2の場合は、期間A、B、Cのどの期間もその月以前1年間に賞与の支給が無く、また賃金も変動がなく標準報酬月額も同じ額となっていますので、総報酬月額相当額がどの期間も同じ額になります。したがって、P1〔T−1〕の式による支給停止額もすべて同じになるのです。

14.63歳以降の調整

Q:63歳以降も在職する場合、支給調整の対象となるのはどの部分ですか?  

A:63歳以降65歳未満の期間は、@の報酬比例部分とAの定額部分が年金調整の対象となります。加給年金額は調整の対象となりません。ただし、質問5の回答にもあるように、支給停止額が「@報酬比例部分+A定額部分」以上になった場合は、加給年金額も全額支給停止となります。

65歳以降の期間は、老齢厚生年金の部分のみが支給調整の対象となり、老齢基礎年金と経過的加算は全額支給されます。また、支給停止額の計算式も64歳までの計算式とは異なり、P1〔T−2〕のようになります。

15.支給開始年齢引き上げの該当外

Q:老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げスケジュールについて、表5に該当しない人はいますか?

A:老齢厚生年金の支給開始年齢引き上げスケジュールには特例があり、表5に該当しない人がいます。それは、厚生年金保険の被保険者期間が44年以上ある長期加入者又は厚生年金保険の障害等級3級以上の状態にある人で、いずれも退職して被保険者資格を喪失している場合です。これらの人は、表5における報酬比例部分支給開始年齢から、定額部分も合算した額が支給されます。加給年金額の加算の対象となる場合は、加給年金額も支給されます。

また、坑内員・船員(厚生年金保険の第3種被保険者)にも、表5に該当しない人がいます実際の被保険者期間が15年以上ある場合には、生年月日に応じて55歳(昭和2141日以前生まれ)から60歳(昭和2942日〜昭和3341日生まれ)で、報酬比例部分と定額部分が支給されますが、その後は長期加入の女性と同じスケジュールで、徐々に支給開始年齢が65歳へと引き上がっていきます。