あなたのマネープランニングを行うためのキャッシュフロー表を作成する際に、基礎生活費は支出の主要項目になりますが、実際に記入するとなるとすんなり記入出来ないことがしばしばです。そこで、あなたの参考となるような数値を用意することになるのですが、それがなかなか難しい。2023年度に使用しているものをどのように準備したか、説明しましょう。
2023年度 基礎生活費参考数値(年額)
2023年度のセミナーで使用している基礎生活費の参考データは次のようになります。
ここで注意して頂きたいのは、この中には、住居費と教育費は含まれていません。なぜなら、弊社で提案しているマネープランのためのキャッシュフロー表では、支出の項目に「基礎生活費」と「住居費」「教育費」が別々にあるからです。
総務省家計調査
先ほどの参考数値を具体的にどのように作成したかご説明します。
データの元は、総務省家計調査です。調査年:2022年、データの公開(更新)日が2023年02月07日です。
総務省統計局にアクセスします。家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
詳細結果表へ(2021年(令和3年)平均)の「総世帯」をクリックすると次のようなページが表示されます。
次に、「2022年」をクリックすると、データセット一覧が表示されます。その中の「4.世帯人員・世帯主の年齢階級別」を使っています。該当するエクセルデータをダウンロードします。
エクセルを開くと、縦に支出項目、横に世帯別・世帯主の年齢階級別の項目が並びます。
支出項目のうち「消費支出」を基礎生活費としています。この消費支出(基礎生活費)は、1.食料、2.住居、3.光熱・水道、4.家具・家事用品、5.被服及び履物、6.保健医療、7.交通・通信、8.教育、9.教養娯楽、10.その他の消費支出の10項目に分かれれます。この10項目は、それぞれ更に内訳が示されています。こづかい(使途不明)や交際費は、10.その他の消費支出に含まれます。なお、金額は月額です。
この10項目のうち、2.住居と8.教育を除いた金額を用いています。そして、それを12倍して、1年分としています。
これが当初お示した基礎生活費になります。なお、高齢者世帯につきましては、データセット一覧のうち、「9.(高齢者のいる世帯)世帯主の就業状態別」からデータを入手し算出していますが、2022年までの数字には、コロナ禍の影響が大きく出ているので、2019年を使用しています。
なぜ、2.住居と8.教育を除くのか
基礎生活費から、なぜ、2.住居と8.教育を除くのか。これは、少し説明しましたが、マネープランのためのキャッシュフロー表では、基礎生活費の他に住居費と教育費を入力する行を用意しているから、ということになります。では、なぜ、用意しているのかということになります。住居費と教育費は金額が大きく、個々によって違いが大きいからです。金額が大きいということは、マネープランを実施するにあたり、重要検討項目になるということです。それ故、他の生活費とは別に扱っています。
Chat GPTに作ってもらった。
生成AIに作ってもらうとどうなるでしょうか。Chat GPTに「総務省 家計調査報告(家計収支編)の最新データから、単身世帯、2人世帯、3人世帯、4人世帯、高齢夫婦無職世帯、高齢単身世帯の基礎生活費を調べて、判りやすく表にしてください。」と依頼してみました。すると、次のように回答がきました。以下、青文字のテキストもChatGPTによるものです。
以下に、2021年9月までの総務省の家計調査報告(家計収支編)を基にした、世帯人数別の基礎生活費の参考数値を表にまとめました。
世帯人数 | 基礎生活費の参考数値(月額) |
---|---|
単身世帯 | 約20万円 |
2人世帯 | 約30万円 |
3人世帯 | 約40万円 |
4人世帯 | 約50万円 |
高齢夫婦無職世帯 | 約40万円 |
高齢単身世帯 | 約20万円 |
上記の数値は、平均的な世帯の基礎生活費を参考にしています。ただし、これらはあくまで一般的な参考値であり、実際の生活費は地域や個人の生活スタイル、所得レベル、住居の条件などによって異なります。また、経済状況や物価の変動によっても生活費は変化しますので、予算立てや家計管理の際には注意が必要です。具体的な予算は、自身の状況に合わせて慎重に見直し、調整することをおすすめします。
ここまでを、ChatGPTは、数秒でやってのけます。参考値はあくまで参考ですので、支出の項目は、ご自身のライフプランにあわせてご検討ください。
Google Bard では どうなる?
同じ質問をGoogle Bardにしてみました。青文字は、Google Bardによるコメントです。
日本の家計調査報告(家計収支編)の最新データから、単身世帯、2人世帯、3人世帯、4人世帯、高齢夫婦無職世帯、高齢単身世帯の基礎生活費を調べた表を以下に示します。
世帯構成 | 基礎生活費(月額) |
---|---|
単身世帯 | 181,873円 |
2人世帯(夫婦のみ) | 247,506円 |
2人世帯(夫婦と子供1人) | 314,689円 |
2人世帯(夫婦と子供2人) | 381,872円 |
高齢夫婦無職世帯 | 197,157円 |
高齢単身世帯 | 142,146円 |
ご覧のとおり、世帯構成や世帯人数によって基礎生活費は大きく異なります。単身世帯は最も基礎生活費が低く、高齢夫婦無職世帯は最も基礎生活費が高いです。これは、単身世帯は食費や光熱費などの生活費をすべて自分で負担する必要がある一方で、高齢夫婦無職世帯は社会保障給付によって生活費の一部が補われているためです。
という結果です。
Microsoft Bing では
少々、しつこいですが、Microsoft Bingにも 同じお願いをしてみました。以下のようか回答でした。
総務省の家計調査報告(家計収支編)の最新データは、2023年(令和5年)1~3月期平均のものです1。単身世帯、2人世帯、3人世帯、4人世帯、高齢夫婦無職世帯、高齢単身世帯の基礎生活費を調べて、以下のように表にしました。基礎生活費とは、食料・住居・光熱・水道・家具・家事用品・被服及び履物・保健医療・交通・通信の10項目の支出の合計です2。
世帯区分 | 基礎生活費(円) |
---|---|
単身世帯 | 123,462 |
2人世帯 | 201,261 |
3人世帯 | 241,948 |
4人世帯 | 269,799 |
高齢夫婦無職世帯 | 173,798 |
高齢単身世帯 | 107,500 |
統計局ホームページ/家計調査(家計収支編) 調査結果 2: 統計局ホームページ/家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
まとめ
参考値として使っている基礎生活費は、どうやって計算しているの?という疑問に対する解答でした。様々調べてみて、キャッシュフロー表を使ってマネープランを実施する人をミスリードしないように提示しているつもりです。
最後まで、お付き合いいただきありがとうございました。時間を味方にしましょう!